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メデューサファイル・4

 少年が瞬きをする間もなく、彼女は薄衣を纏った姿に変わる。
白銀の輝きを持ったその布は、あくまでも薄く、しなやかで彼女に良く似合っているように感じられた。

 「あなたは…誰?」
虹の卵より産まれたばかりの彼女に、彼は問いかける。

 「……っ言うか、お前こそどこの誰だ? レディの名前を訪ねる態度かそれが?」
……ガラの悪いレディである。

 「ぼくは…ペルセウス(ペルシア人)の……」

 「ペルセウスか、良い名前だ」
彼女は無邪気な微笑を浮かべる。

 問いかけるまでもないのだ。 彼女は、少年の本当の名前を知っている。 彼女の本質は波動であり、その本地は根源の混沌である。 言葉を介さず、全てを知る。 それが彼女であった。 もっとも、脱皮を繰り返し、分裂を繰り返した末のひとつである彼女の能力は、全能には程遠いものであるのだが……。

 それでも、彼女は、もちろん知っている。 少年の隠された本当の名前も、隠されねばならないそのわけも……。

 「私は……そうだな……、XXXと呼ばれたこともあるし、XXXではXXXとも呼ばれた。 お前は何と呼びたい?」
面白そうに彼女は問いかける。 我を、名付けよと。

 「……空駆ける女性=エウリュアレ」

 「エウリュアレ。 素敵な名前だな。 今日から、私はエウリュアレと名乗ろう」
彼女は、本当に嬉しそうに笑った。
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